歯周病はうつるってほんと? 歯周病菌の感染について
目次
歯周病がうつる原因
歯周病は、人にうつる病気です。
口腔内にある、歯周病菌という細菌による感染症なのです。
生まれたころは口腔内に歯周病菌がいるわけではありません。
生活する中でいろいろな経路によって歯周病菌が口腔内に入ってしまうことで、歯周病がうつってしまいます。
食器の共有

歯周病菌は唾液にも含まれています。
同じ食器を共有することで、歯周病菌がうつってしまう可能性があります。
自分が使ったお箸やスプーンで子供に食べさせない、使わせないようにしましょう。
子供への食事の提供の仕方

小さなお子様と食事をするときの介助でも、歯周病菌がうつってしまう可能性があります。
食べ物を親御さんが噛んでで小さくしたり、熱を覚ます際に息と一緒に唾液がかかってしまうことで、お子様の口腔内に唾液とともに細菌が入ってしまい感染してしまいます。
パートナー間での感染

恋人や夫婦などのパートナー間でもうつることがあります。
キスや、食べ物のシェア、同じストローで飲み物を飲むなどで歯周病菌がうつってしまう可能性があります。
女性は歯周病になりやすいので要注意!

女性は、様々なライフステージでホルモンバランスが変化することにより歯周病のリスクが高いのです。
特に妊娠中は、女性ホルモンの増加により特定の歯周病菌が増殖しやすくなります。
さらに、つわりによる歯磨き不足や唾液分泌の減少も歯周病のリスクを高めます。
妊娠中の歯周病は早産や低体重児出産のリスクを増加させるため、特に注意が必要です。
また、更年期にはホルモンバランスの変化により唾液分泌が減少し口腔内の自浄作用が低下するため、歯周病のリスクが高まります。
思春期の女性もホルモンの影響で歯肉炎症を起こしやすくなります。
女性は歯ぐきの腫れや出血が見られたら、早めに歯科医院を受診しましょう。
見逃さないで!歯周病の自覚症状
歯周病は、自覚症状が現れにくい病気です。
自覚症状がないまま症状が進行してしまい、気づいたときにはすでに重症化しているケースが多くあります。
大切な歯を失なったり人にうつしてしまう可能性もあるため、このような症状が現れていたら早めに治療を受けましょう。
進行具合 | 症状 |
---|---|
初期症状 |
歯磨きをすると出血する 歯肉が腫れている 歯茎の色が赤い |
軽度歯周病 |
冷たい飲み物に染みる 歯肉が腫れが大きくなる 歯磨きをすると出血する 歯茎の色が赤い |
中度歯周病 |
歯茎が下がる 歯根が露出し始め、歯がグラグラする 口臭が強くなる 歯肉が痒みが生じる 唾液がねばつく |
重度歯周病 |
硬いものを噛むことはできないほど歯がグラグラする 歯と歯の隙間が目立つ 膿が出る 自然に出血する 口臭がさらに強くなる 起床時に口がねばつく |
初期症状
歯周病の初期段階である歯肉炎は、歯の磨き残しにより歯垢が蓄積することで発症します。
歯茎に炎症が起こり赤くなる、腫れる、歯磨き時に出血するような症状がみられます。
健康な方の歯周ポケットの深さは1~2mmですが、歯肉炎では2~3mmに。
放置しておくと次のステージである軽度歯周炎に進行してしまいます。
軽度の歯周病
軽度の歯周病では、歯肉の炎症が進行し、歯周ポケットの深さが4~5mm程度になります。
歯肉が赤く腫れ、歯磨き時だけでなく食事中に出血することがあります。
冷たいものがしみたり、歯がむず痒く感じたりすることもありますが、痛みはほとんどないため自覚しにくい状態です。
中等度の歯周病
中度の歯周病では、歯周ポケットの深さが4~6mm程度に拡大し、歯が溶け始めます。 歯がグラつき始め、歯肉が後退して歯が長く見える症状が現れます。 口臭が強くなる、歯肉にかゆみがでる、また唾液がねばつきはじめます。 この段階では目に見える形で症状が現れるため、患者自身が口腔内の異変に気づくことが多いです。
重度の歯周病
重度の歯周病では、歯を支える歯槽骨が半分以上破壊され、歯周ポケットの深さが6mm以上になります。
歯がグラグラになり硬いものを噛むことはできず、普通の食事も食べにくく、痛みを感じます。
膿や出血、強い口臭が生じ、日常生活に支障をきたすでしょう。
治療せずに放置すると、歯が自然に抜け落ちる可能性もあります。
歯周病がうつる確率
歯周病は人から人へ移動する可能性がありますが、感染しても必ずしも発症するわけではありません。
発症の可能性は、個人の免疫力に大きく影響します。
免疫力が高い人は多くの歯周病菌が存在しても発症しないことがありますが、免疫力が低下すると少ない菌数でも発症する可能性があります。
糖尿病患者や喫煙者、ストレスの多い人は免疫力が低下しやすく、歯周病にかかりやすいでしょう。
歯周病の感染予防・対策
正しい歯磨きでプラークを落とす

歯周病予防には、正しい歯磨き方法でプラークを除去することが重要です。
歯磨きだけでは歯と歯の間のプラークを落としきることはできません。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助清掃器具を併用し、歯と歯の間や歯肉との境目など、プラークが溜まりやすい箇所を重点的にケアしましょう。
生活習慣を見直す

歯周病の感染予防には、バランスの取れた食生活と健康的な習慣が欠かせません。
ビタミンCを含む食品を積極的に摂取し、免疫力を高めましょう。
喫煙や過度の飲酒は避け、特に禁煙することで歯周病リスクを大幅に減らせます。
また、ストレス管理と十分な睡眠で免疫機能を維持し、腸内環境を整えることも効果的です。
歯周病検診を受ける

歯周病の感染予防として、定期的に歯周病検診を受けましょう。 日々のブラッシングだけでは、口腔内のプラークを完全に除去することは困難です。 特に奥歯の裏側や歯間部など、歯ブラシが届きにくい箇所にはプラークが残りやすくなります。
歯周病かも、と思ったらすぐに歯科医院へ

歯周病はさまざまな経路で感染します。また、歯周病は初期の段階だと痛みもないため気づきづらく、気になりだし始めたころには症状がかなり進行してしまっている、ということもよくあります。
少しでも異変を感じたり、心配になったら、まずは歯科医院にご相談ください。

ウケデンタルオフィス
総院長 兼 神谷町本院 院長
宇毛 玲(うけ あきら)
当院では、自由診療(自費診療)のみに限定し、精密な検査、十分なご説明、そして幅広い治療法を行うことにより、最善の治療を提供できる環境を整えております。もちろん、技術力の研鑽にも力を注いでいます。
一時的に治すだけの歯科治療では満足できない方、一生モノの健康な歯を手に入れたい方、症状が重度で治療を断られてしまった方、ぜひウケデンタルオフィスへご相談ください。
経歴
1993年 明海大学歯学部 卒業
1994年 山の手歯科医院 院長
2000年 東京八重洲クリニック 院長
2005年 ウケデンタルオフィス 開院
所属学科
日本臨床歯科学会認定医
東京SJCD会員
SJCDベーシックコースインストラクター
日本臨床歯周病学会会員
ロカワンクラブメンバー(2024年)