もしかして歯周病? 歯周病セルフチェック
目次
歯周病の症状で有名なのは、歯茎からの出血や、歯磨きや冷たいものを食べた時の痛みなどがありますが、初めからこのような症状がでるとは限りません。むしろ、症状を感じ始めたころや、症状に悩み始めたころには、すでに歯周病の進行が進んでいて、大がかりな治療を必要としてしまうこともあります。
そのため、ご自宅でのセルフケアだけでなく、定期的な検診や、セルフチェックにより、早期発見に努めることは非常に重要です。
この記事では、そんな歯周病の早期発見に役立てられるよう、セルフチェック項目を記載します。
歯周病とは
歯周病とは、細菌の感染によって口腔内に炎症が起きてしまう疾患です。
初めは歯茎が細菌の出す毒素によって赤くなり、出血したりという症状がでてきますが、次第に症状の進行が進んでいくと、最終的には歯が抜け落ちるということにもなりかねません。
歯周病の原因
歯周病の原因はプラーク(歯垢)と言われる細菌の塊です。日々の歯と歯肉の間の掃除がおろそかになったり、しっかりと掃除しきれていないと、歯垢や歯石(歯垢が石灰化したもの)が増えていってしまいます。
歯周病セルフチェック
歯周病の早期発見のために
前述もいたしましたが、歯周病は症状を自覚したタイミングで、すでに症状が大きく進行してしまっている場合もあります。
早期発見のために、定期的な検診に行くことを心がけましょう。ただし、日常の生活の中で、定期的に歯医者に通っていない方も多くいらっしゃるかと思います。
そのような方のために、セルフチェック項目を下記に記載いたしました。
歯周病セルフチェック
1. 歯茎の状態
- ・歯ぐきの腫れや赤みはありますか?(はい/いいえ)
- ・歯ぐきからの出血はありますか?(はい/いいえ)
- ・歯ぐきの引きつりや後退はありますか?(はい/いいえ)
2. 口の中の感覚
- ・歯ぐきや歯の周囲の痛みや違和感はありますか?(はい/いいえ)
- ・食事時の歯ぐきの違和感や痛みはありますか?(はい/いいえ)
- ・朝起きたとき、口の中がねばねばした感覚がありますか?(はい/いいえ)
3. 歯の状態
- ・歯の動揺やぐらつきの感じ方はありますか?(はい/いいえ)
- ・歯のしみや過敏感はありますか?(はい/いいえ)
4. 口臭
- ・常に口臭がありますか?(はい/いいえ)
- ・歯を磨いた後でも口臭が残りますか?(はい/いいえ)
5. 自覚症状
- ・食事中や歯磨き時に歯ぐきから出血しますか?(はい/いいえ)
- ・歯垢や歯石を感じますか?(はい/いいえ)
6. 生活習慣
- ・喫煙をしていますか?(はい/いいえ)
- ・歯磨きや歯間ブラシの使用を日常的に行っていますか?(はい/いいえ)
- ・普段歯ぎしりや食いしばりをしてしまう癖がありますか?(はい/いいえ)
7. 遺伝的要因
- ・家族歴に歯周病がありますか?(はい/いいえ)
8. 免疫機能
- ・健康状態や免疫機能に問題がありますか?(はい/いいえ)
1~5までの項目で、1つでも「はい」がついた方は、一度検診に行くことをおススメします。
また、6~8の項目で、1つでも「はい」がついた方は、セルフケアや日々の生活習慣によって、歯周病が発症しやすい可能性があります。生活習慣の改善やセルフケアの徹底を意識することが必要です。セルフケアの方法や生活習慣なども歯科医療機関で正しい知識を得ることが重要です。しばらく歯科医療機関に検診に行っていない方は、一度検診に行くことをおススメします。
歯周病になりやすい人の特徴
歯周病になりやすい人の特徴は以下のものがあげられます。
歯磨きの回数が少ない
歯磨きがおろそかになると、口腔内の細菌が増殖し、歯茎に炎症が起こってしまいます。
また、しっかりと歯磨きを行っているつもりでも、しっかりと歯の表面が磨けていなかったり、歯と歯の間の掃除を行っていないと、細菌が口腔内に多く残ってしまい、増殖してしまいます。
喫煙習慣のある人
喫煙することで、白血球の働きを低下させ、結果として歯周病が進行しやすくなってしまいます。また、毛細血管の循環が悪くなり、歯周病の治りも悪くなってしまいます。
過度なストレスを抱えている
身体的にも精神的にも、過度なストレスを抱えていると、体内の免疫機能の低下を招き、歯周病を発症するリスクも高くなります。
糖尿病の方
糖尿病の方は免疫力が低下しているため、歯周病にも感染しやすいです。また、糖尿病は血糖値を抑える働きが低下するため、高血糖状態がつづく病気です。高血糖の状態が続くと口の中が乾きやすくなり、細菌が繁殖しやすくなってしまいます。そのため、歯周病が発症するリスクも上がってしまいます。
歯並びが悪い方
歯並びが悪いと歯磨きの際、歯ブラシが届きにくく、歯垢が残りやすい傾向があります。歯ブラシが届きにくい一定の場所に歯垢が定着してしまい、細菌が増殖し安くなってしまいます。その結果、歯周病や虫歯などのトラブルが起こりやすくなってしまいます。
歯ぎしりをしてしまう方
歯ぎしりや歯の食いしばりなどの癖がある方は、歯や歯を支える歯周組織にダメージを与えてしまう機会が多く、結果として歯周病を悪化させることがあります。
遺伝的要因
一部の人は遺伝的に歯周病にかかりやすいとされています。家族歴に歯周病のある人は、自身も発症しやすい可能性があります。
歯周病を予防するための生活習慣の改善
歯周病を予防するためには、適切な歯磨きやフロスの使用、定期的な歯科検診が重要です。また、健康的な食生活や喫煙の避け方、ストレス管理などの生活習慣の改善も効果的です。
歯周病予防のための具体的なアクションプラン
歯ぎしりや歯の食いしばりなどの癖がある方は、歯や歯を支える歯周組織にダメージを与えてしまう機会が多く、結果として歯周病を悪化させることがあります。
- ・正しい歯磨き方法の習慣化
- ・歯間ブラシや歯磨き粉の適切な選択と使用
- ・定期的な歯科検診の予約と受診
- ・健康的な食生活の維持と糖分摂取の制限
- ・喫煙の避け方やストレス管理の方法の学習
予防のためにも、生活習慣の見直しを
どの病気にも言えますが、歯周病に関しても日々の生活の積み重ねが大事です。
歯周病になってから治すより、歯周病にならないように日々の生活を改善する方が、時間的にも、金銭的にも、精神的にもプラスの要素が多いと思います。
とはいえど、日々の生活習慣をいきなり変えること、そして、続けることは容易ではありません。
まず、その生活習慣の変化の1つとして、歯科医療機関に行くスケジュールを決める、というのもおススメです。
症状がある、ないに関わらず、歯周病が気になる方はまず検診に行ってみてはいかがでしょうか?
ウケデンタルオフィス
総院長 兼 神谷町本院 院長
宇毛 玲(うけ あきら)
当院では、自由診療(自費診療)のみに限定し、精密な検査、十分なご説明、そして幅広い治療法を行うことにより、最善の治療を提供できる環境を整えております。もちろん、技術力の研鑽にも力を注いでいます。
一時的に治すだけの歯科治療では満足できない方、一生モノの健康な歯を手に入れたい方、症状が重度で治療を断られてしまった方、ぜひウケデンタルオフィスへご相談ください。
経歴
1993年 明海大学歯学部 卒業
1994年 山の手歯科医院 院長
2000年 東京八重洲クリニック 院長
2005年 ウケデンタルオフィス 開院
所属学科
日本臨床歯科学会認定医
東京SJCD会員
SJCDベーシックコースインストラクター
日本臨床歯周病学会会員
ロカワンクラブメンバー(2024年)