メインテナンス(クリーニング)

メインテナンス(クリーニング)とは?

歯科のメインテナンス(クリーニング)とは、歯垢(プラーク)や歯石、着色を除去をすることです。
歯垢は、食べかす、唾液、細菌が混ざってできた汚れで通常の歯磨きで除去できます。
しかし、磨き残しなどで2〜3日ほど付着し続けると石灰化し、歯石に変化します。
歯石は硬く、通常のブラッシングやフロスでは除去できないため、専門的な処置が必要です。
健康な歯を維持するためには日々の丁寧な歯磨きに加えて、定期的に歯科医院でのクリーニングを受けることが推奨されます。

メインテナンス(クリーニング)はなぜ必要なのか?

初めは歯が痛かったり、血が出たりして、すぐに歯医者に予約をいれて治療を行ってもらうものの、ある程度歯の状態が回復すると、
「歯に異常がないのに、歯医者に通うのはめんどくさい」
「今日歯医者予約してたんだ!でも忘れてたからいいや。」
などと、歯医者に通う頻度が少なくなったり、最終的には歯医者から距離をとってしまう方も少なくありません。
歯周病治療を行っている方でも、そういう方はいらっしゃいます。
これはとても危険なことです。せっかく治療を行ったのに、歯の状態をまた悪化させることに繋がる場合があります。


歯周病は簡単に再発する

歯が痛い女性

メインテナンスとは、歯医者で治療を受けた後に、その状態を維持するための定期的な治療を行うことを指します。
せっかくお金と時間をかけて歯周病治療をしたとしても、このメインテナンスをおろそかにしてしまうと、数か月後には治療前の状態に戻り、歯周病が再発してしまいます。
歯周病は、再発しやすいという点があり、治療が完了しても、約3か月で元々の細菌数の30%が口内に戻ってくる、と言われています。
口の中の細菌は、歯磨きやフロスなどの、ご自身で行うセルフケアだけでは無菌状態にすることは不可能です。
歯周病の再発を防止するためには、ご自身で毎日行う正しいセルフケアと、歯医者で行う定期的な「メインテナンス」を行うことで、口内を健康的な状態に保ち続けることが重要です。


糖尿病などの病気になるリスク

楽しそうな高齢者イメージ

メインテナンスは歯周病を再発させないためにも非常に重要ですが、単に歯周病にならないためだけではありません。
というのも、歯周病という病気は非常に怖い病気で、重症化すると、歯を失うだけでななく、命に関わる病気に繋がる可能性があります。

■歯周病が重症化することによってリスクが高まる病気(一例)
・脳梗塞
・糖尿病
・動脈硬化
・心筋梗塞
・認知症

また、上記以外にも、高齢の方だと誤嚥性肺炎、妊婦の方だと早産や低体重児出産につながる可能性があります。
歯医者でのメインテナンスを定期的に行うことは、歯や口内の問題解決のためだけでなく、高齢化社会の日本でよりよい生活を送り続けるための、いわばQOL(クオリティ オブ ライフ)のためにも重要なことなのです。

メインテナンス(クリーニング)のメリット


虫歯・歯周病を予防できる

虫歯・歯周病を予防できる

歯のクリーニングは、虫歯予防に非常に効果的です。
歯ブラシだけでは除去しきれない歯垢や歯石を取り除くことで、細菌が付着しにくくなり虫歯を予防できます。
日常的な歯磨きの効果も高まり、虫歯のリスクが低減します。
また、クリーニング時に歯科医師や歯科衛生士が口腔内をチェックすることで、初期段階の虫歯を発見できる可能性が高まります。
早期発見・早期治療は、虫歯の進行を防ぐ上で重要です。


口臭の改善・予防ができる

口臭の改善・予防ができる

口臭の改善・予防にも歯のクリーニングは、大事な役割を果たします。
歯科医師や歯科衛生士による専門的なクリーニングは、通常の歯磨きでは完全に除去できない歯石や歯垢を効果的に取り除きます。
これらの汚れには口臭の原因となる細菌が多く含まれているため、除去することで口臭の発生を大幅に抑制できます。


本来の歯の色を取り戻せる

本来の歯の色を取り戻せる

歯のクリーニングでは、表面についた歯垢や着色汚れを取り除くことで本来の歯の白さを取り戻すことができます。
コーヒーやタバコなどによる着色汚れは、通常の歯磨きや歯磨き粉では完全に除去できませんが、歯科医師や歯科衛生士によるクリーニングで取り除くことが可能です。
さらに、歯面を滑らかに研磨することで新たな汚れの付着を防ぎます。
定期的にクリーニングをすることで歯の色がワントーン明るくなり、清潔感など見た目の印象も良くなるでしょう。


将来かかる治療費を抑えられる

将来かかる治療費を抑えられる

クリーニングを受けることは、歯が抜けるリスクを低減させる重要な予防策です。
歯石や歯垢を除去することで、歯周病による歯の喪失リスクを下げることができます。
定期的にクリーニングをすることで、80歳時点で残っている歯を13本も増やせる可能性があります。
抜けた歯をインプラントで処置する場合、1本あたり約30万円かかるため13本では約400万円もの治療費がかかります。
定期的なクリーニングは将来の高額な治療費を抑えられ、自分の歯で生活し続けるための投資になります。

メインテナンス(クリーニング)の頻度はどれくらい?


ケース別メインテナンス(クリーニング)の頻度


定期的に通院することで歯の残数が2倍に!?

日本では歯周病の予防のためのメインテナンスに定期的に予防通院する習慣があまりないため、年齢とともに歯周病で多くの歯が失われています。その為、日本の80代の平均的な歯の残数は10本をやや下回ります。しかし、メインテナンスのために定期的に歯医者に通院するのが一般的なスウェーデンでは、80代の平均的な歯の残数はなんと20本です。

歯のメインテナンスの費用はどれくらい?

歯のメインテナンス費用は保険診療か自費診療によっても違います。
また、保険診療か自由診療かによっても、できることも大きく変わっていきますので、違いをしっかりと理解しておきましょう。


保険診療の歯医者でのクリーニング内容と費用

保険診療とは、健康保険が使える診療のことです。自己負担金額が少なく、一定レベルの治療が受けられるため、通常は保険診療の歯医者に通院する方が多いかと思います。
ただし、保険診療で行う治療は、最低限の健康を保つための治療になるため、最も理想的な治療を受けられるわけではなく、保険診療で決められている手順と治療方法で受けなくてはいけません。
費用は1回あたり3,000円前後、治療時間も大体30分程度です。


自費診療の歯医者でのクリーニング内容と費用

自費診療は、治療金額全て自己負担です。ただし、治療方法に関しては、材料から手順まで全て自由に選択することができます。(その為、自由診療、とも呼ばれています。)現在の口腔内の状況や患者様の治療目的に合わせて最適な治療方法を受けることができます。
自費診療のクリーニングでは歯石除去や着色除去、また、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleening)といわれる、歯科医院で行われる専門家による徹底した歯面清掃を受けることができ、普段のセルフケアだけでは落とすことのできない細菌を除去し、虫歯や歯周病になりにくい口腔内環境を整えることができます。
費用は全額自負費負担のため、1回あたり5,000円~20,000円程度で、施術によって変わっていきます。クリーニングにかかる時間も内容によって異なります。


保険診療と自費診療どちらにすべき?

自費診療は保険診療と比べて、自己負担金額が高くなるため、保険診療を選ぶ方も多くいらっしゃいますが、通院目的によっては、自費診療を選ぶ必要があります。
例えば、
・煙草のヤニを除去してほしい
・1日で歯周病治療を終わらせたい
・最新の技術や薬剤を使用してほしい
などは、保険診療では対応できません。
また、自由診療は治療の制限がないため、医師の技術の違いが効果の違いに大きく現れます。「技術の高い医師に、最適な治療で治療目的を達成したい!」と考える方は、自由診療をベースに、技術の高い医師を探して受診されることがおすすめです。

メインテナンスの内容

セルフクリーニングチェック

歯磨き教えているイメージ

日々のブラッシングで歯垢を落とせるかどうかを確認します。ブラッシングは日常生活を行える効果的な歯周病対策です。うがいだけでは歯周病菌の塊(バイオフィルム)を除去できませんが、適切なブラッシングを行えば、バイオフィルムを破壊し、取り除くことができます。
ただし、磨きすぎや力の入れすぎ(オーバーブラッシング)には要注意です。力をいれて磨きすぎると、歯肉退縮といって歯茎が下がる原因にもなります。
歯垢除去が不十分な方、磨きすぎな方には、ブラッシングの適切かつ効果的な方法をお伝えいたしますので、ご安心ください。


歯周ポケットの検査

歯周ポケット確認している画像

歯周ポケットは、歯の周りにある溝のことで、なかなか見えづらいものです。歯周ポケットの検査では、この歯周ポケットの深さや出血がないかどうかなどを検査いたします。
深い歯周ポケットはブラッシングの効果を得にくく、口内環境が悪化し、歯周病が再発するリスクを高めてしまいます。特に歯周ポケットの内部は、ブラッシングだけでは歯垢を取り除くことができないため、歯周ポケットが改善するまでは、歯医者で歯周ポケット内を清掃することが必要です。
また、合わせて嚙み合わせのチェックも行います。嚙み合わせの悪い歯はセルフケアが難しいだけでなく、歯並びの悪い状態は顎関節症や片頭痛、めまいや肩こりなど、様々な不調の原因にもなることから、患者様の状況やご要望に応じて治療をご提案させていただくこともございます。


口腔内のクリーニング

口腔内のクリーニング

前述もした通り、ご自身でどんなに丁寧にセルフケアをしたとしても、どうしても除去しきれない歯垢や歯石があります。
特に、歯石になってしまった場合は、ブラッシングでは除去できません。
歯石とは、歯垢(プラーク)が時間をかけて石灰化したものです。

歯医者でのメインテナンスを定期的に受診することで、歯垢の歯石化を防いだり、できてしまった歯石をすぐに除去したりすることによって、歯周病の悪化を防ぐことができます。
ウケデンタルオフィスでは、手用スケーラーだけでなく、超音波スケーラーなども用いながら、口腔内を丁寧にクリーニングしていきます。
また、患者様のご要望や口腔内の状況に応じて、レーザーによるクリーニングも可能です。患者様の中には、スケーラーの音に不快を感じる方もいらっしゃいます。レーザー治療は痛みが少なく、静音性に優れているため、メインテナンス中の不快感は大きく軽減されます。その上、レーザーを使用した場合、痛みが少なく、健康な歯肉を削らないので、歯茎が下がりにくいというメリットがあります。したがって、レーザー機器を用いることで、精神的にも負担を軽減し、かつ効率的に歯垢歯石の除去を行うことができます。

歯石取りの治療内容ついて詳しくは下記ページをご確認ください。

歯石取りについて

よくある質問

Q クリーニング時に痛みはありますか?

A スケーラーによる処置は、比較的痛みを感じにくいと言われています。
しかし、歯石が多い方や歯ぐきが腫れている方は痛みを感じるかもしれません。
ご要望に応じては痛みが少ないレーザーでの処置も可能です。


Q クリーニング効果を維持させる歯磨きのコツは?

A クリーニング効果を維持するには適切な歯ブラシを選び、正しい技術で磨くことが重要です。
歯の表面は直角に、歯と歯ぐきの境目は45度の角度で小刻みに動かして磨きましょう。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用し、歯間のケアも大切です。
毎食後と就寝前のブラッシングを習慣化し、優しい力で丁寧に磨くことで歯や歯ぐきを傷つけずに清潔を保てます。

ブラッシングのコツについて

ウケデンタルオフィス
総院長 兼 神谷町本院 院長

宇毛 玲(うけ あきら)

当院では、自由診療(自費診療)のみに限定し、精密な検査、十分なご説明、そして幅広い治療法を行うことにより、最善の治療を提供できる環境を整えております。もちろん、技術力の研鑽にも力を注いでいます。

一時的に治すだけの歯科治療では満足できない方、一生モノの健康な歯を手に入れたい方、症状が重度で治療を断られてしまった方、ぜひウケデンタルオフィスへご相談ください。

経歴

1993年 明海大学歯学部 卒業
1994年 山の手歯科医院 院長
2000年 東京八重洲クリニック 院長
2005年 ウケデンタルオフィス 開院

所属学科

日本臨床歯科学会認定医
東京SJCD会員
SJCDベーシックコースインストラクター
日本臨床歯周病学会会員
ロカワンクラブメンバー(2024年)


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