悪化するまで気付かない 歯周病の症状

歯周病は「サイレントディジーズ」とも呼ばれ、自覚症状がないまま症状が進行してしまい、気づいたときにはすでに重症化しているケースが多くあります。ご自身の大切な歯を失わないように現状の状態を正確に把握することは大切です。

進行具合によっての歯周病の症状

健康的な歯周組織

健康的な歯周組織の断面図

右の図は健康的な歯周組織の断面図です。歯周ポケットと呼ばれるものはなく、歯肉溝と呼ばれる1mmの溝が歯の全周にあり、その下に上皮付着と呼ばれる歯と歯茎が接着している部分が1mmの幅であります。

この部分が、外部からの細菌から外敵から歯や骨を守っています。その下に歯と歯茎を強く接着している結合組織付着があり、歯茎を歯に固定し、歯茎の形を保つ役割を果たしています。

軽度の歯周病

軽度の歯周病

歯周ポケット:4~5mm

歯周病は「サイレントディジーズ」とも呼ばれ、軽度の歯周病の症状のうちはまだまだ目立った症状はありません。

しかし、歯肉の腫れが大きくなり、歯周ポケットができはじめています。歯と歯茎の境目が赤くはれたり、触れると出血したりします。しかし、炎症症状が出ているのは歯肉のみで、痛みを全然伴わないです。

また、冷たい水を飲むとしみることがあったりします。これを放置しておくと根の先に向かって炎症が進んでいきます。

中等度の歯周病

中等度の歯周病

歯周ポケット:4~6mm

炎症が進んでしまうと、歯周ポケットが広くなり、歯茎が下がり痩せてきます。また、炎症は歯肉のみではなく、骨が溶けはじめます。歯根が露出し始め、歯がグラグラします。これにより、歯周ポケットはさらに広くなってきて、細菌が歯周ポケットの中に入ってしまいます。また、露出した歯根には歯石がついているため、若干黒く見えます。

中等度の昔に比べて口臭が強くなり、歯肉にかゆみがでます。また、唾液がねばつきはじめます。

重度の歯周病

重度の歯周病

歯周ポケット:6mm以上

さらに炎症が進むと歯がグラグラしすぎて硬いものを噛むことはできず、普通の食事も食べにくい状態となります。歯肉が大幅に退縮してしまい、歯と歯の隙間が目立つようになり、歯が長くなったように見えます。歯槽骨も大半が破壊されているような状態で、大量の歯石が付着しています。また、膿が出るようになり、自然出血の頻度が増え、中等度の時よりもさらに口臭がひどくなり、朝起きると口の中がねばねばしていたり、出血していたりします。


TOP