歯周病完治後の再発を防ぐ 日々のブラッシング

毎日歯を磨いていても歯周病になる可能性はある

歯周病治療において、歯についたプラークと呼ばれる歯垢を減らすことは非常に重要です。歯周病治療を受診されている方の中には歯を毎日習慣的に磨かないために歯周病になってしまったという方もいらっしゃいます。しかし、反対にしっかり磨いているという方でも重度の歯周病になってしまう方がいらっしゃいます。これはブラッシングの方法が間違ってしまっていることが原因です。間違ったブラッシングを行っていると、プラークは減少せずに増加し、歯周病へとつながってしまいます。


歯周病治療・予防においてブラッシングが非常に大切

日常生活を普通に送るだけで口内に細菌は入ってきてしまうため、歯周病が完治した後も定期メンテナンスにて除去することが非常に大切です。歯磨きを正しく行うことがプラークの軽減につながりますので、患者様ご自身でのブラッシングが歯周病の一番の予防策となります。

当院でも歯周病治療を受診された患者様にはブラッシングの指導を行っており、定期メンテナンスの際にブラッシングのチェックを行っております。間違ったブラッシングを続けていては一度完治した歯周病が再発してしまう恐れがあるからです。また、歯周病治療中も正しいブラッシングを行わないと細菌がお口の中に戻ってきてしまうため、せっかくの歯周病治療の効果も半減してしまいます。反対に、治療中から正しいブラッシングを身に着けることで、治癒を早めたり、再発を防ぐことにもつながったりします。歯周病の初期症状である歯肉炎はブラッシングによって改善がみられることもあります。

スッキリしたからといってしっかり磨けているとは限らない

歯を磨いたあとはスッキリした感じがして気持ちがいいですよね。しかし、スッキリしたからといってプラークを十分に除去できているとは限りません。磨き方の癖によっていつも同じところが磨けていなかったり、利き手側がよく磨けていなかったりと原因はさまざまですが、しっかり磨いたつもりでも磨けていないことは多々あります。

不安な方は染めだし液を買って磨いてみると、どれほど磨けているかがわかります。一度試してみてはいかがでしょうか。

過度なブラッシングには注意

ブラッシングを過度に行うことで、歯周病でなくとも歯茎が下がってしまうこともあります。それだけでなく、歯の破折を招いたり、根尖病巣などになったりすることで、今度は歯周病治療とは別の歯科治療を受けなくてはいけなくなる場合もあります。

原因に合わせて毎日正しいセルフケアを行うことで、口内を健康的な状態に保つことができます。一度歯周病が完治したのにもかかわらず、再発させては治療を受けた意味がなくなってしまいます。正しいブラッシングはプラークや歯石の付着を防ぎ、歯周病の予防へとつながります。歯周病かなと思われたらまずは歯科医院で治療を行い、正しいブラッシングの指導を受けることが歯周病治療・予防において大切です。

正しいブラッシングを行ってもできてしまうバイオフィルム

正しくブラッシングができていれば、プラークが増殖しにくくなりますが、やはり磨きずらい場所にはプラークが付着したままになってしまいます。20%程度のプラークは残ると言われています。付着したプラークを放置しておくとバイオフィルムという細菌が集まった膜ができてしまいます。バイオフィルムは強固な力で集合しており、抗菌薬を使っても十分に殺菌することができません。そのため、バイオフィルムを通常の日々のブラッシングで取り除くことは難しいです。

また、4mm以上の歯周ポケットに入り込んでしまったプラークはブラッシングでは取り除くことができません

歯周病治療の一環であるPMTC

日々のブラッシングでプラークの増殖を防ぎ、定期的にブラッシングでは取り除けないバイオフィルムなどのお口の中の細菌を除去することが効果的な歯周病治療・予防・再発防止につながります。

超音波の機械を使用したクリーニングや歯の表面を研磨・レーザー照射をすることでブラッシングでは取りきれない細菌を定期的に除去していきます。日々のブラッシングに加えて定期的にメンテナンスを行うことで、歯周病や虫歯から歯を守り、長持ちする健康的な歯を維持することができます。


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